R社に入社してからは驚きの連続でした。皆さん仕事の出来る優秀な人ばかり。そんな人たちと一緒に仕事ができて毎日が本当に楽しかった。そしてその会社には、海外旅行資金プレゼントという制度があり、私の部署ではインドネシアのバリ島に行く事になりました。バリ島のビーチでバカンスを満喫していたある日、10歳くらいの少年が私たちに近づいてきて、銀製品や貝殻のネックレスを買わないかと言ってきました。「お姉さん、可愛いね。ネックレス買って。銀のブレスレットもあるよ。安くするよー」と、とても流暢日本語で話しかけて来ました。「ごめん、いらない」とその日は断ったのですが、次の日またそのビーチに行くと、同じ少年がオーストラリア人の観光客に今度はこれまた流暢な英語で売り込みをしていました。私は、「凄いなあ」と思って見ていたのですが、またその少年が私のところに来たので、「君、日本語も英語も話せるなんて、凄いね。学校で習っているの?」と聞いたら、「家が貧しくて学校には行っていない。お金を稼ぐために、日本人やオーストラリア人の観光客が来たら、近くに行って会話に耳を澄ませて覚えた」と、言うではありませんか。私は大きな衝撃を受けました。そして中学、高校と6年間も英語を習っておきながら全く話せない自分が恥ずかしくなったのです。そして彼から銀のブレスレットを買い、私が持っていたタオルが欲しいと言ったのでプレゼントしたら、とても喜んでいました。そのブレスレットは今でも大事にしています。
バリ島の少年との出会い
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更新日:2023年6月13日
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